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Page Start 2006.2.5 最終更新日【2012.6.16】
専用線「速星」 (日産化学富山工場専用線)
DATA
日産化学富山工場専用線
JR高山本線速星-工場

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解説
JR高山本線速星駅に接続する専用線は、駅に隣接する日産化学富山工場へ延びる企業専用線で、1日1往復の貨物列車に合わせて運行されています。日産化学のここ富山工場の創業は古く、古風な受電設備などを駅からも見ることができます。

この工場ではアンモニアを基本とした関連派生品を展開しており、貨物扱いはコンテナに加え、専用コンテナとして液体アンモニアや硝酸を出荷しています。もともと車扱時代の名残か、入換ヤードが大きめの取ってあり、駅に似合わない大きな構内が特徴です。

スイッチャーは常用機が2台、加えて予備機がもう1台いるものと思われます。常用機は外観そっくりの赤の車体に白帯と黄帯がおり、それぞれ車番が251、252と同一タイプと思われます。

荷役線は大きく2つのグループに分かれ、富山側に向かって工場内部へ延びる線はコンテナ積み出しがメイン、線路沿いに北へ延びる線はアンモニアと硝酸の荷受線となっています。北への線路はさらに2つに分かれ、高山本線から見える側が硝酸+コンテナ1両分(小分けの硝酸類?)の受入設備、工場中へ入っていくほうがアンモニア出荷設備+コンテナとなっているようです。

運行はJR貨物の発着に合わせて行われており、平日に加え土曜日も運行されています。ほぼ発着に合わせて入換が行われており、JR機到着と出発の間を狙えば基本的に容易にゲットできるお手軽専用線です。

以前は同じ高山本線に神岡行きの貨物も走っていて、それなりに撮りがいがあった路線なのですが、神岡鉄道が廃止となり、ここの専用線狙い以外ではあまり魅力がなくなっちゃいました。全国的に数が減った化学系専用線ですが、この速星は状況を見る限り当面安泰という感じです。


入換風景

銀タキは今はありません。昔は速星に2往復が発着してました。 8:30頃、工場専用線の門が開かれ、専用機が1両または2連で出てきます。駅構内でスイッチバックし、富山方にある屋根つきの詰所へ一旦入ります。2連のときは機関車をそこで分割、それぞれ2本の線路に並べて一旦停止します。

単機か重連かの違いは前日の入換の影響なのか、単に給油設備が工場内ということなのか、そのあたりまったくわかりませんが、朝、詰所にスイッチャーがいないと重連で、スイッチャーがいた場合は単機で出てきます。黄帯と白帯それぞれ、日によって使い分けているようで、本機・予備機の関係ではなさそうです。

9:00前、そのうちの1両が駅貨物ヤードまでやってきます。移動後はJR機がつくまで一旦休憩となります。貨物列車到着前、駅舎のJR貨物詰所から人が出てくると入換が始まります。

富山からやってくるJR編成はヤードにそのまま突っ込まず、一旦高山方面ホームへ入ってきます。駅に一時停止後、高山方へ前進、バックでヤードへ貨車を押し込みます。JR機が切り離されて別の側線へ移動し停止すると、同時にスイッチャーが動き出します。

持ってきた貨物編成をJR機と同じく後ろから押していきます。最後尾にアンモニアと硫酸のタンクが載っており、まずはそれを切り離します。少しだけアンモニア・硝酸線にタンコキを突っ込んで分割。一旦高山方に編成を戻して一気に工場側荷役線へ押し込んでいきます。

その後、すぐに単機、またはコンテナを連れて戻ってきます。さきほど置き去りにしたアンモニア・硝酸コキを入換。それぞれの荷役線へ押し込んでいきます。ルールがあるようで、コンテナ+アンモタンコ+硝酸タンコ、またはアンモタンコ+硝酸タンコ+コンテナの3両が1セットとして仕立てられ、押し込みで入れていきます。

10時くらいまでなんだかんだで行ったり来たりを繰り返します。1日じっくり見たことがないのでよくわかりませんが、並んで鎮座するもう1台がどういう使われ方をするのか気になります。2台のスイッチャー、配置される場所から希硝酸やアンモニアの受入設備で使われるのでしょうか、謎のままです。

奥に並んだ貨車の配置やGooglemapから、アンモニアは単に1コキ2タンクを押したり引いたりしてる感じで、たまにコンテナがあると。希硝酸のほうは荷役線の関係で南側から硝酸タンク+コンテナとなるため、編成組みを見る限り、また、硝酸タンコがごろごろしているところからも、硝酸線での入換もそこそこありそうです。この専用貨車はどうやって使ってるんでしょうね~

また、アダプターに使うのか、茶色の変な貨車も1両いて、これもどうやって使っているのか気になります。アンモタンコについているのでアンモ専用なのでしょうか・・・。じーっと見てると謎は深まるばかりです。

午後も帰りのJR編成の仕立て入換が行われます。1300~1430前後で行われているようですが逆光になってしまうため他の撮影地にひかれてしまい確認したことはありません。2つの荷役線からコキが来ますので、午前の押し込みと逆の手順で入換が行われるのでしょうか。

午後のJR帰り便はコキの後ろに硝酸タンコとアンモタンコがくっつくパターンとなり、午前便と付いてる場所が変わります。お尻にアンモタンコや硝酸タンコをくっつけるため午後の入換はスイッチャーが結構動き回っているのかも知れませんね。

1500前に富山貨物行きのJR編成が出発。しばらく静まり返りますが、ふたたび1500過ぎに残った入換がスタート。明日の朝入換の仕立てをしてるのでしょうけど作業内容はよくわかりません。終わるとすぐにスイッチャーが工場内へ戻ってしまいます。門が閉まるとすべての入換が終了です。スイッチャーが1両放置されることもありますが、運転が終わったかどうかの確認は前述の詰所に人がいるかどうか、工場門が閉まっていないかを確認すればOKです。

ここの入換業務はちょっと複雑そうでパターンはつかみにくいです。また機会があれば観察に行きたいと思います。


撮影ガイド工場までの沿線もいい感じ。今は単機になってます。

撮影可能場所は速星のホームや跨線橋からか、JR線路に並行する道路脇くらいしかないので、アングルやカットの仕方で工夫しながらの撮影となります。 速星ホームからだと跨線橋から俯瞰気味に撮影できます。

なお入れ換え前には高山本線西富山~速星の井田川鉄橋や鉄橋すぐ南側の跨線橋からのDE10牽引貨物列車の写真撮影も可能です。午後帰り便は西富山の富山方跨線橋からの撮影もできます(逆光)。


「鉄道がある風景」/RailScape
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