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Page Start 2011.7.25 最終更新日【2015.7.20】
専用線「伊予三島」 (大王製紙三島工場専用線)
DATA
大王製紙三島工場
愛媛県四国中央市

伊予三島本線分岐点~専用線荷受施設
約0.0km


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解説
伊予三島の専用線はJR予讃本線伊予三島駅から2kmほど川之江方向へ戻った分岐から大王製紙に伸びる企業専用線です。

伊予三島は古くからの製紙の町で、大手製紙メーカーがあちこちに点在します。また製紙から紙袋や加工紙を作る中小企業も多くあり、製紙城下町となっています。

専用線オーナーの大王製紙はティッシュペーパー等で誰もが知る有名ブランド「エリエール」を持つ会社で、ここ三島工場は製紙能力230万トンという、日本一の能力を誇る大王製紙の基幹工場でもあります。(最近はオーナー息子のバクチで有名になりました)

ここの専用線は駅から分岐するのではなく、路線途中の分岐点から枝分かれするタイプで、中越パルプ能町と同じタイプ(能町~高岡貨物の途中で分岐)です。

ヤードは予讃線に並行して作られており、一見貨物駅のヤードにも見えてしまいます。屋根つきコンテナヤードに掲げられた「大王製紙専用線」とデカデカと書いた看板がそうでないことを表現しています。

側線は全部で5本あり、予讃線から北に2本が電化された側線、続いた2本が非電化、残る1本は屋根つきコンテナヤードに入っており、途中入り口までの電化となっています。

スイッチャーは3台いて、王子製紙北王子からやってきた(2014.9.3)青色の25t機「No1」がメイン、黄色の妻面が5窓あるグロテスクなやつが予備機「No2」(かつて赤が黄色になった)、黄色(薄いほう)のいかにも廃車されそうな塗装の15t機がかつての主機「No3」となってます。入換業務は日通が担当しますが、以前は大王製紙の物流部門が運営していたそうです。

入換風景

入換は朝と午後の貨物列車到着時の1日2回行われます。ここの特徴は到着時のコンテナ線への押し込みにだけスイッチャーが使われることです。

朝、10:00ちょっと前にスイッチャーのエンジンがかかります。10:00頃、高松からのコンテナ(3075レ)がヤード脇の予讃線を通過します。そのまま専用線には入れないため、伊予三島駅まで貨物列車は運行します。

伊予三島駅では3番線に入線、すぐに入換を行います。単線で1時間ヘッドで走る特急と普通上下列車の間を縫っての入換のため、あまり余裕がありません。

到着後ELが切り離され1番線を使って転線します。さきほどの編成のお尻にELを連結し、川之江方向へ戻っていきます。ELは入換灯をつけているので、専用線までの運行は入換扱いになってるのでしょう。

係員を乗せ約2kmを進みます。ちょうど伊予三島を発車したと思われる頃にドドっと専用線にも係員が出てきます。列車は分岐点手前では止まらず、そのまま専用線ヤードへ入ってきます。2kmの逆走が入換行為の1つなんでしょうね、予讃線から1本目の側線に入ります。

続いてスイッチャーが始動。到着したコキをコンテナ線へ入れる作業を行います。踏切脇にある側線から側線にわたるスイッチバック用側線がコキ3両分しか対応できないため、5~6両で送られてくる貨物列車を一気にコンテナ線に入れられません。そのため2分割で入れ込みを行います。

スイッチャは予讃線から2本目の側線を定位置にしています。スイッチバックを使って1本目側線へ移動し、到着したコキ編成のお尻に連結。まずコキ3両を引っ張ってスイッチバック線へ、続いてコンテナ線へ押し込んでいきます。

スイッチャーはすぐに離れてまた1本目側線へ移動。残ったコキを引っ張りさきほどと同じくコンテナ線へ押し込みます。先ほどのコキとコンテナ線でそのまま連結させ、単機で定位置に戻ります。スイッチャーの作業はなんとこれでおしまい!

続いてELが転線します。スイッチバック線へ移動後コンテナ線へ。さきほど持ってきたコキの前で止まって小休止となります。この一連の流れで約10分ほど。あっという間に入換作業が終わってしまいます。

ELはしばらく停止した後11:15頃伊予三島へ移動。0番線側線に入って15:00台出発まで休憩です。その後先ほどのコンテナ線停止位置まで戻り、積み込みが終わったコキをELが直接引き出し、伊予三島駅まで移動。伊予三島でELを付け替えて高松へ出発(3074レ)となります。

午後の入換も午前とまったく同じ。15:50頃伊予三島に到着する列車(3079レ)のタイミングでスイッチャーのエンジンが始動。午前と同様16:20頃にヤードに貨物列車が入ってきて、同じ手順で入換を行います。こちらもあっという間に入換が終わります。

出荷時は同様にELがけん引となりますので、スイッチャーは16:00台の運行で終わりとなります。興味深い専用線ですがスイッチャーは1日20分だけのお役目です。

ちなみに運行日は高松からのコンテナ発着があれば入換制約上、必ず運行されます。平日は確実に、たぶん土曜日は動きそう、日曜祝日はどうなんでしょうね、、、新聞・雑誌用などの紙を出荷していればなんとなく動いているような気もします。

ちなみに新居浜発着の貨物もありますが、新居浜駅の入換はELが行いスイッチャーはいません。


撮影ポイント

ヤードに並行して南側に歩行者用の小道があるので容易に撮影できます。ヤード東側にある跨線橋からヤードの全景と予讃線列車が、西側にある踏切からスイッチャーの入換風景を収めることができます。比較的安全に撮影ができるのですが、踏切周辺は操作のタイミングから撮影には注意が必要です。

なお、専用線ヤードは伊予三島から約2km東のところにありますが、まわりは小道が多く、車の駐車スペースが少々難です。ご注意ください。


「鉄道がある風景」/RailScape
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