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Page Start 2007.9.4 最終更新日【2013.1.20】
「京阪京津線(けいしんせん)京津三条~御陵」
DATA
京阪京津線京津三条~御陵
最終日1997年10月10日

路線営業キロ:3.9km

京津三条 0.0km
東山三条 0.6km
蹴上 1.6km
九条山 2.5km
日ノ岡 3.5km
御陵 3.9km
(京阪山科 5.2km)

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解説
京阪電鉄京津(けいしん)線京津三条~御陵は、京都市地下鉄東西線の開業(1997年10月12日)を機に廃止となった路線で、開業は大正元年(1912年)と古く、歴史ある路線で関西の人にとっては馴染みのある鉄道でした。併用軌道と急勾配、急カーブの路線として有名で、蹴上付近では、碓氷峠を越える勾配の坂を駆け上がり、つり掛けモーターが轟々と唸っていました。

併用軌道区間は京津三条~蹴上と日ノ岡~御陵で、東山三条、蹴上、日ノ岡駅が路面電車スタイルの道路上ホームとなっていました。併用軌道区間における交通量はやや多く、この時代までよく耐えてきたなという感じです。

当時使われていた車両は、運行形態別に使い分けされ、普通用の80系と準急用の600系、700系の3種が主となっていました。準急は京阪三条を出て御陵までノンストップ、以東浜大津まで各駅に停車、普通は全駅各駅停車で早朝深夜を除き京阪三条~四宮での区間運転が中心となっていました。

それぞれの車両ですが、80系はつりかけ電車でもともと1両用として作られ、のち輸送力増強を目的に2両化されましたもので、丸みのあるヨーロピアンスタイルが特徴的でした。併用軌道での乗り降り用に乗降口に折りたたみ式ステップが装備され、主に普通列車の運用が中心でした。現在当該区間廃止とともに廃車となっています。

一方600系、700系は折りたたみ式ステップを装備せず、御陵以東の乗降専用ということで準急限定で使われていました。これらの車両は現在石山坂本線で引き続き使われています。

基点であった京津三条駅は2線3面2両分のホームのみの小さなターミナルで、ちょうど叡山電鉄出町柳駅のような感じのスケールでした。京阪本線が地上駅の頃はターミナルらしい雰囲気がありましたが、1987年の地下化で駅がにちょん切られてからはどこかのローカル鉄道の起点駅のようになってしまい、駅名もこれまでの三条駅から京津三条と改められました。主力車両だった80系と600・700系

京津三条駅を出るとすぐに路面上を走ります。このあたりは朝夕はバスに自動車、自転車までが行く手をさえぎり、ぐちゃぐちゃの混雑の中を列車が突っ込んでいく喧騒とした感じのところでした。

東山三条駅を過ぎるまで道幅があまり広くないので、障害物がいっぱいの雑踏を進んでいくような感じになっていました。

次の東山三条駅は路面電車タイプのちょこんとした低いホームがあるだけの駅。かつてはここで京都市電と平面クロスしていました。東山三条を出ると勾配がきつくなってきます。次の蹴上は明治初期の浄水場などがある観光スポットの1つで、春秋の観光シーズン中は結構な乗降があります。普通列車しか止まらないためどの列車もかなりの混雑となります。

蹴上からは専用軌道を走ります。きつい勾配、きついカーブをくねくねと進んでいきます。九条山駅はあたりに何もないところ。ハイカーが降りるくらいの山間の寂しい駅でした。路面区間に入るとすぐ日ノ岡駅。オープンスタイルの待合室兼駅舎は道路わきにありました。日ノ岡あたりの路面区間はさらに道路幅が狭く、右折車両があると列車が止まってしまうこともよくありました。

線路が右に道路を外れて専用軌道に入ると御陵駅。小さな対面ホームの駅がローカル私鉄らしいいい雰囲気でした。再び道路を横切りJRの築堤沿いを走ってガードをくぐると京阪山科に到着。現在の山科駅は当時よりも地下鉄化にあわせて西へ移動しきれいな駅に変わりました。現在の御陵駅ももとあったところではなく、日ノ岡と御陵との中間あたりに設けられています。

車庫はこの京阪山科の次の駅、四宮にありましたが、現在もそこが京津線用の車庫となっています。廃止区間は御陵までとなっていますが、実際の線路の付け替え具合から言えば御陵~京阪山科の間あたりということになります。

なお、最終日は地下鉄への線路切り替え工事などで、京津三条~京阪山科での実際の運転は1997年10月10日で終了、翌11日はこの区間がバス代行となり、京阪山科~浜大津で従来車両で運行。翌12日地下鉄の開業とともに当該区間が廃止となっています。また地下鉄乗り入れを機にこれまで600Vだった電圧を1500Vに昇圧しています。

現在、廃線後はすっかり撤去されてしまい、蹴上~日ノ岡までは道路拡張で用地は接収、御陵駅周辺くらいに痕跡がある程度となってしまいました。


「鉄道がある風景」/RailScape
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